そもそもどうして「フェルデンクライスメソッド」をやろうと思ったんですか?
これは、私が人から良く聞かれる質問です。
看護師という職業を持ってながら、
「フェ、フェ、フェ・・・
ナントかというもの」
という聞いたこともないようなものになぜ興味を持ったのか?
それには私の今までの様々な経験が影響しています。
とにかく忙しかった急性期病院での経験
私は看護学校を卒業後、まず急性期の病院で働きました。
そこでは業務に追い立てられて働いていました。
患者さんの検温のための部屋廻りは勿論、それをやりつつ・・・
入退院の手続き、手術前後の処置・対応、点滴・採血、薬を配る、ガーゼ交換などの処置
体を拭く、オムツ交換、食事介助、洗面介助、リハビリや検査のための移送、シーツ交換、お茶配り、配膳・・・
これらをしながらひっきりなしに鳴るナースコールの対応をし、次の勤務の人へ申し送り
わ!まだ看護記録書いてない!
わ!食事摂ってない!
こんな毎日の繰り返しで、患者さんとゆっくり関わる時間をなかなか持てない状況が続いていました。
私の力不足もあったかもしれませんが、今のようになかなかゆっくりは関われる状況ではなかったのです。
医療現場で見た光景から感じたこと
そんなこんなで急性期病院で数年働いたのち、結婚を機に退職、出産に育児に忙しく、しばらく現場から離れていました。
子育てがひと段落ついた頃、療養型病床の個人病院に再就職しました。
再就職直後は寝たきりの高齢者の多さに驚きました。
ほとんどの方の寝ている姿勢が自分を守るように固く、丸く、あり得ない体の変形を起こしていることに気づきました。
体の変形を起こしている人を介助するのは大変でした。
特にリハビリや入浴のためにベッドから車椅子に移動させるときです。
介助するときにどうしても無理に引っ張ったり、押したり、自分にも負担なのですが、患者さんにも負担となっているということに気がついたのです。
習った介助法を患者さんに使ってみるのですが、姿勢が複雑に変形している人には難しく、介助の形だけは真似てやることができるのですが、私と患者さんとの間で何か不自然なものがあると感じ始めました。
習った介助法をする前に、何かもう一段階、準備体操のようなものがいるな・・・と考えました。
そんな時に出会ったのが
フェルデンクライスメソッド
だったのです。
今までのものとは違う!と感じたフェルデンクライスメソッド
好奇心だけは人一倍あるので、早速フェルデンクライスメソッドのワークショップに参加しました。
そこで、個人レッスン(Functional IntegrationⓇ=FIレッスン)のデモストレーションを見る機会がありました。
-
フェルデンクライス広島の個人レッスン
フェルデンクライスメソッドには2つのレッスンがあります。 そのうちの1つ、個人レッスンについてのご案内です。 目次個人レッスン (Functional IntegrationⓇ=FIレッ ...
続きを見る
そこで見たレッスンは衝撃的で、緊張が取れにくいと思われていた人がリラックスしていたり、歩行がぎこちない人がスムーズに歩けたり・・・驚きの連続でした。
もちろん、そういった変化は驚きだったのですが、何より私の印象に残ったのは、
相手をまるで大切なものに触れるように穏やかに触れていたこと
ゆっくりとした小さな動きで、全く痛みを伴うものではなかったこと
一人の人間として敬意を持って接していたこと
先生と生徒というような一方的に何かを教えるというのではなく、する側、される側の両方で共にレッスンを作り上げている
そんな雰囲気が今までのものとは違うと感じたのでした。
デモストレーションを見て感動したものの、4年間という長い期間、そして高額の授業料を払ってまでトレーニングに参加するというのはなかなか決断できることではありませんでした。
そんな私がトレーニングに参加しようと決心したのは、あるトレーナーから受けたレッスンでした。
つづく・・・