フェルデンクライスとは?

たった1つの動きを変化させると、他の動きにも変化が起こる

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フェルデンクライスメソッドである施設に関わっているのですが、ある日、そこの利用者さんから声をかけられました。

彼女は片麻痺で、1日中車椅子で過ごされている方です。

私が廊下を歩いていると、

「車椅子に座っている姿勢がよくないように思うので、これでいいかどうか見てもらえませんか?」

と声をかけられました。

彼女の姿勢をみると、明らかに仙骨座り(滑り座り)をしていて車椅子もこぎにくそうです。

座り直しのやり方だけアドバイスしたのですが、後日様子を見に行くと驚くべきことが起こっていました。

そもそも、仙骨座りってどういう状態なのか?

下の写真、問題なく座っているように見えますが・・・

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お尻と背もたれのところに隙間が空いているの分かりますか?

実は、お尻全体が前へ滑ってずり落ちて座っています。

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これが、仙骨座りという座り方です。

写真では、骨盤が後ろに傾いてお尻全体が前へ滑った状態で座っています。

元気な私たちでもソファーに座ったり、電車などで背もたれにもたれかかるとこういう座り方しますよね?

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図解入門よくわかる股関節・骨盤の動きとしくみ ~著者: 國津秀治 ~

 

この座り方を続けていると、活動性がどんどん低下してしまいます。

仙骨座りの解決策として・・・

・シートの形状を整える

・フットサポートやアームサポートを調節する

・滑り座りを助長するようなリクライニングではなくティルトにする

など、車椅子の環境を調整することから問題を解決するという方法もありますが・・・

今回はフェルデンクライスを取り入れて

動きを使って変化させる

という方法でやってみました。

彼女は動ける方だったので、まずは座り直しの方法を教えました。

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前かがみの姿勢をとらせお尻を片方づつ移動させて車椅子の奥に深く座るようにします。

座面がたわんでいたので、動きやすくするために座面の調整も行いました。

最初はこの座り直しだけを教えたのですが・・・

彼女はこの動きをずっと練習していたようなのです。

2週間ほど経ったところ、また彼女に廊下で会いました。

様子を聞くと車椅子がこぎやすくなってラクになったとのこと・・・

でも、それだけではなかったのです!

できなかった寝返りが、できるようになった

と言うではないですか!

寝返りをしているところを見せてもらうと、ぎこちなさはありましたができています!

ぎこちなさの原因は柵を腕で引っ張ることで寝返りをしているからでした。

すごく力を使っていたのです。

まずは彼女がどこに力を使っているか?に気づいてもらいました。

ここはすごく大事です!

自分がやっていることに気づいて初めて修正はできるのですから・・・

次に、腕に頼らず足を使って寝返る方法を提案してみました。

すると、腕に力を入れて頑張る必要がないことに彼女は気がつきます。

「こうするとラクにできます」

とビックリしている様子・・・

ということで、次回までに練習してもらうことにしました。

また何週間か経って彼女の様子を見に行きました。

すると、ちゃんと足を使っています。

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良い方の足も麻痺側の足も使ってマットを足裏で押すことで寝返りをしています。

寝返りのために力を使っていた腕は方向付けをするために使うことに変わり

以前のように腕や肩が痛くなることもなくなったようでした。

麻痺側の膝や股関節も以前より曲がるようになりました。

なのでよりマットを足裏で押す動きがやりやすくなりました。

この寝返りができたことで・・・

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頭の上方に移動することも
できるようになったのです!

以前の彼女は自分で上方にあがれないので枕を引き寄せていたようでいつも体が下の方にずれたままのことが多かったようなんですね・・・

車椅子で移動できているにも関わらず、ベッド上では自分で寝返り1つ出来ない方は意外と多いのです。

ところで・・・皆さん、お気づきでしょうか?

車椅子での座り直し
 ↓
寝返り
 ↓
上方への移動

これらは同じような体の使い方をしています。

だから1つの動きが変化することで他の動きも良くなったのです。

それは何でしょう?

彼女についてはまだ続きがありまして・・

スタッフもびっくり!なことが起きたのです。

長くなったので今回はここまで・・・

↓続きはこちらからどうぞ↓

たった1つの動きを変化させると、他の動きにも変化が起こる~その2~

前回の記事の続きです。 前回の記事は、介護に役立つだけでなく、 私たちの日常生活やパフォーマンス向上にも役に立つ動きです。 なぜなら、この動きはあらゆる姿勢や動きの中でよく使われる動きだからです。 彼 ...

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