前回の記事の続きです。
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たった1つの動きを変化させると、他の動きにも変化が起こる
フェルデンクライスメソッドである施設に関わっているのですが、ある日、そこの利用者さんから声をかけられました。 彼女は片麻痺で、1日中車椅子で過ごされている方です。 私が廊下を歩いていると、 「車椅子に ...
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前回の記事は、介護に役立つだけでなく、
私たちの日常生活やパフォーマンス向上にも役に立つ動きです。
なぜなら、この動きはあらゆる姿勢や動きの中でよく使われる動きだからです。
彼女に教えた
車椅子での座り直し
↓
寝返り
↓
上方への移動
これらは同じような体の使い方をしています。
そのため、1つの動きが変化することで他の動きにも変化が起こったわけですがそれはいったい何でしょうか?
それは・・・
足で床を押して体を転がす(回す)
という動きです。
赤ちゃんも寝返りをするときやっています。
ヒトが成長発達していく過程でのとても重要な動きです。
足で床を押す、
そうすると骨盤が回り、
骨盤が回ると背骨が回り、
次に頭が回り、
体を転がすという動き
に繋がっていきます。
彼女に教えた最初の動きである車椅子での座り直しにもそういった一連の動きが入っています。
この動きができたことで、その動きの要素が入っている
寝返り、上方への移動が可能になったのです。
この一連の動きは他にも、
起き上がり
腕を伸ばす
振り返る
階段の昇り降り
歩く
ときなど、私たち日常のあらゆる動きに入っています。
ということは、
足で床を押して体を転がす
動きがよくなれば他の動きもよくなる可能性はあります。
現に彼女は・・・
自分で起き上がれるようになったのです!
まだ、柵を引っ張って起き上がっていますので、今後もレッスンを続けていく必要はありますが、すごい進歩です!
彼女は発症してから時間が経っており、もうこれ以上は良くならないとずっと思っていたそうです。
ですから、自分でできることが増えたのはかなり嬉しかったようでした。
何より彼女は、
成長意欲のとても高い方です。
そんな方だからこそフェルデンクライスメソッドのレッスンがぴったりだったのでしょう。
私たちは大人になっても学ぶことができます。
動きを忘れていたら、いつでも再学習すればいいのです。
これからも彼女をサポートしていくことで、彼女の生活の質がよくなるお手伝いができればと思います。