前回の記事の続きです。
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どうしてフェルデンクライスメソッドをやろうと思ったのか?~その1~
そもそもどうして「フェルデンクライスメソッド」をやろうと思ったんですか? これは、私が人から良く聞かれる質問です。 看護師という職業を持ってながら、 「フェ、フェ、フェ・・・ ナントかというもの」 ...
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フェルデンクライスメソッドのデモストレーションを見て感動したものの、4年間という長い期間、高額の授業料を払ってまでトレーニングに参加するというのはなかなか決断できませんでした。
そんな私がトレーニングに参加しようとしたのはあるトレーナーのレッスンを受けたことがきっかけでした。
自分が何をやっているかが分かったフェルデンクライスメソッド
トレーニングに参加するというのはなかなか決断はできませんでした。
当時はまだ子供も小さかったので、トレーニングの間の子供の面倒は誰が見るのか?家のことは?仕事は?と問題は山積みでした。
それでも、フェルデンクライスメソッドのトレーニングに参加しようと決心したのは、あるトレーナーから受けたレッスンがきっかけでした。
個人レッスンのデモストレーションで私がレッスンを受けることになったのです。
初めて個人レッスンを受けるので、何をされているのかさっぱり分からなかったのですが・・・
レッスンを受けた後立ち上がると、とにかく体が軽かったのです。
背も伸びたように感じ、視線がいつもと違っていました。
本当にこれが自分の体なの?と疑うほどでした。
実は、私は小さいころから姿勢が悪いと周りの人に散々言われてきた経験がありました。
「あなた、姿勢が悪いね~」
「もっと背筋をシャンとして」
「もっと顎を引いて!胸をはって!」
とにかく色々なことを言われました。
でも、自分では姿勢が悪いなんて思ってなかったのです。
その姿勢は自分にとっては当たり前のことでしたから・・・
姿勢が悪いということがどういう状態なのか?
私にはさっぱり分かりませんでした。
いい姿勢ってどういうことなのか?
分かるように説明してくれる人も誰一人いませんでした。
姿勢を正すために色々なことを言われるのですが、どの方法でやってもやっぱり姿勢が悪いと言われるのです。
どの人も、こうしたらいい、ああしたらいいと色々言ってくれるのですが…
誰一人として
言われたことをその通りにやるにはどうしたらいいか?
ということは教えてくれなかったのです。
何をどうしたらよいのか分からず私はかなり混乱しました。
そのうちに私という存在が否定されているように感じ、自信もなくしていきました。
ところが、フェルデンクライスメソッドのレッスンの後、立ち上がった時に今まで周りの人が言ってきたことが全て理解できたのです。
「あぁ!こういう状態がいわゆる周りの人が言っていたいい姿勢なんだ。」
それと同時に、自分が今までやっていたことも理解できたのです。
「あぁ!周りの人が言う姿勢が悪いという状態って、こういうことを言っていたのか!」
今まで言葉で散々言われても分からなかったことが、感覚として理解できたのです。
こんなことはフェルデンクライスメソッドが初めてでした。
馴染みのあるいつもの私とは違う私がいることに驚きました。
デモストレーションは短い時間でしたし、日常生活に戻るとまたいつもの私に戻りはしたのですが・・・
以前と違ったのは、
フェルデンクライスメソッドを続けていけば私は変わることができるし、まだ向上していく余地があるという可能性が見えてきたこと、そのおかげで自分を少し信頼できるようになってきたことでした。
フェルデンクライスメソッドは患者さんのために始めたことだったのですが、結局自分のためにやることになりました。
私が可能性を引き出してもらったように、私も
その人がまだ気づいていない可能性を引き出すお手伝い
ができるようになればいいなと思いました。
自分が何をしているかが分かれば、自分のしたいことができるようになる
上の言葉は、モシェ・フェルデンクライスが残した言葉です。
自分が何をしているかを知るのは、言葉でいうと簡単ですが、実はとても難しいことです。
人によっては見たくない、避けたい部分でもあるかもしれません。
でも、自分が何をしているか?
が分かるように感受性を高めることは多くの方が持っている問題や悩みを解決していく上で大きなカギになると考えています。