今や国民病とも言われる腰痛。
症状が長引くと日常生活にも支障をきたしてしまいます。
腰痛改善のための方法はテレビやネットでも色々と紹介されていますが、今回は呼吸を使って腹圧を高めることで腰痛を改善するエクササイズをご紹介したいと思います。
目次
呼吸を使って腹圧を高める腰痛改善のエクササイズの手順
腰痛改善が期待できるエクササイズの手順を紹介します。
このエクササイズでは、動きに注意を向けることが大切で、それぞれの動きをやる前と後でどんな変化が体に訪れているか、も考えながらやってみてください。
エクササイズをやる時のポイントはゆっくり動くようにして、動作の回数ではなく、どこが動いているか?自分が何をしているか?を重点的に見ることです。
ポイント
- 動きはゆっくりと、小さく、力を減らして動くようにしましょう。
- 動きは3~5回繰り返します。
- 何回するかは重要ではなく、1回1回の動きを大切に、動いている所を意識することが大切です。
- 動きと動きの間は必ず休みをいれてください。
step
1床に仰向けに寝る
仰向けに寝て、床と体の触れている様子に注意を向けます。
仰向けで寝たときに体がどのような状態になっているか、細部にも意識を向けてみましょう。
- 頭の後ろは床にどのように接していますか?
- ウエストの後ろはどうですか?
- 床との間にどれくらい隙間ができているでしょうか?
- 骨盤のどこが床に接していますか?
- 右側と左側ではどちらの方が床に触れている面積が大きいでしょうか?
- どちらの脚が長いと感じますか?
呼吸を観察してください。
- 吸う息と吐く息とでどちらが長いでしょうか?
- 呼吸をするときに胸とお腹のどちらがたくさん動くでしょうか?
- 動きを感じるのは体の前側ですか?後ろ側ですか?
step
2足首を曲げて動かす
右足首を曲げて戻します。
ゆっくりと右脚を転がして、足指を天井に向けて足首を曲げます。
足指が自分の方、頭の方に向くようにして曲げます。
- 呼吸に何か変化がありますか?
- 足首を曲げると、足指は一緒に曲がってきますか?
左足首で同じことをします。
- 左右での違いに気がつきますか?
- どちらの足首が曲げやすいですか?曲げにくいですか?
- 呼吸に変化がありますか?
動きをやめて少し休みます。
step
3両膝を立てる
両足は腰幅くらいに開きます。
踵を付けたまま、足の前の方をゆっくり床から持ち上げて元に戻します。
両足をたてたまま、踵以外の足の前の部分を全部持ち上げて、元に戻します。
両足で何回かやります。
- これをやる時、両方の足指に何が起きますか?
- 骨盤は何が起きますか?
- ウエストの後ろ側が床に降りてきますか?
- 呼吸はどうですか?
何回するかとか、正しくできていることは重要ではなく、1回1回の動きを大切に、動いている所を意識することが大切です。
足を伸ばして少し休みます。
step
4呼吸を観察する
呼吸を観察します。
息を吐く時にお腹を前に出して押し下げます。
ゆっくり吐く息の方に吸う息よりも注意を向けるようにして下さい。
息を吐くのを強調して、お腹を前に出し、下に押し下げるようにして下さい。
足の付け根の方に息を吐いて押し広げるイメージです
息を吸う時は何も気にしないようにして下さい。
両手をお腹に乗せて何をしているか感じたければそうして下さい。
呼吸はまず吐くことが大事です。
殆どの人は吐くことが上手くできていません。
吐くことが上手くできれば、何も考えなくても自然と息が入ってくるようになります。
- お腹は左右同じように押し広げることができますか?
- お腹の片側だけが押し広がってきますか?
- お腹を押し下げようとするとウエストの後ろ部分が持ち上がってきますか?
動きをやめて少し休みます。
息を吐く時に両足首を曲げます。
先ほどやったように、息を吐きながらお腹を前に出し、下に押し下げる呼吸をゆっくり始めます。
今度は、息を吐きながらやる動きと一緒に足の前の部分を床から持ち上げて、踵に乗ります。
力は減らして下さい。
足の前の部分を持ち上げたままにして、呼吸の動きだけをやって下さい。
人によっては難しいと思いますので、そういうときは動きを小さく、ゆっくりにしてみてください。
- その時骨盤は動きますか?
- 股関節に動きは感じますか?
- ウエストの後ろは床から持ち上がりますか?それとも床に降りていきますか?
足を伸ばして少し休みます。
もう一度両膝を立て、息を吐く時に足首を曲げる動きを始めます。
息を吐きながらやる動きと一緒に足の前の部分を床から持ち上げて、踵に乗ります。
この時、ウエストの後ろを床から持ち上げないで息を吐きます。
注意ポイント
息を吐く時にお腹を前に出し下に押し出す時に、ウエストの後ろを持ち上げないでいるのは至難の業です。
なので、ウエストの後ろがなるべく持ち上がらないように足首を曲げる動きを忘れないでください。
そうすることでウエストの後ろが降りやすくします。
更に降りていく部分を呼吸で押し広げるイメージでやると上手くいきます。
お腹の中に大きな風船を膨らませるイメージで、お腹のあらゆる方向に押し広げていきます。
力は減らして下さい。
難しければ動きをイメージするだけでも大丈夫です。
- 骨盤が自分の方、頭の方に転がってくるでしょうか?
- 足首を曲げるとウエストの後ろは床に降りてきますか?
- なるべくウエストの後ろを床から持ち上げないようにして息を吐けますか?
息を吐く時にお腹を前に出し、下に押し下げるという動きをしようとすると、ほとんどの人はウエストの後ろは持ち上がろとしてしまうでしょう。
腹圧を高めるには、体に筒を作らなくてはいけません。
ところが、ウエストの後ろを持ち上げると上手く筒が作れません。
筒を作るのに必要な筋肉は、横隔膜、腹横筋、骨盤底筋という3つの筋肉です。
この息を吐くときにお腹を膨らませるエクササイズは、腹圧を高めることで3つの筋肉を活性化し、筒を作ることで体幹を安定させ、それによって腰の負担が軽減するので腰痛改善につながるのです。
step
5変化を確認します。
仰向けに寝て、床と体の触れている様子に注意を向けます。
- 頭の後ろは床にどのように接していますか?
- ウエストの後ろはどうですか?
- 床との間の隙間は変わりましたか?
呼吸を観察してください。
- 吸う息と吐く息では、どちらが長いでしょうか?
- 呼吸をするときに胸とお腹のどちらがたくさん動くでしょうか?
- 動きを感じるのは体の前側ですか?後ろ側ですか?
なぜ呼吸を使って腹圧を高めると腰痛の改善につながるのでしょう?
なぜ呼吸を使って腹圧を高めることが腰痛の改善につながっていくのでしょう?
皆さんが思い浮かべる呼吸の1つに「腹式呼吸」というのがあると思います。
息を吸う時にお腹を膨らませ、息を吐く時にお腹をへこませるというやり方です。
腹圧を高める場合は息を吐く時にお腹を膨らませます。
人の体は全方向から大気圧に押されています。
お腹の部分は肋骨や骨盤のように骨格に覆われていないので、中から圧を高めて大気圧に潰されない筒(体幹)を作る必要があります。
筒を構成するのに必要な主な筋肉は、横隔膜・腹横筋・骨盤底筋です。
このすべての筋肉を働かせることができるようになると腹圧が高まります。
腹圧を高めることができると腰が安定して前に引っ張られることが少なくなるので、腰の筋肉の負担を和らげることに繋がります。
腹圧を高めると腰痛の改善につながる理由は「なぜ呼吸を使って腹圧を高めると腰痛の改善につながるのでしょう?」の記事で更に詳しく書いていますので、興味のある方はご覧ください。 「腰痛がひどくて仰向けで寝られない」 「寝ていると腰に痛みが出て、膝を立てたり横向きになると楽になる」 そんなお悩みをお持ちではありませんか? 腰痛を改善する1つに、呼吸を使って腹圧を高めるという方法 ... 続きを見る
なぜ呼吸を使って腹圧を高めると腰痛の改善につながるのでしょう?
腰痛改善エクササイズで効果を実感したお客様の声
長年つらい腰痛に悩む方にもこのエクササイズを試して頂いたところ、効果が期待できるという声を頂いています。
デスクワークによる腰痛でお困りだった方
仕事がデスクワークなので、時間が長くなると腰が痛くて仕方なかったのですが、この腰痛改善のエクササイズをするようになってからは調子がいいです。
仕事の合間にもこのエクササイズを試すと、仕事が終わるまで腰痛がなく快適です。
ちなみに肩こりに困っている方にはこちらもおススメです。
-
肩こりと腰痛を解消できるローラーエクササイズ。骨盤と頭の連動がカギ!
どんなに整体やマッサージに行っても肩こりや腰痛に悩まされている、そんな慢性的な痛みはどうすれば解消できるんだろう、と悩んでいませんか? この記事ではローラーを使って慢性的な肩こりと腰痛解消に役に立つ、 ...
続きを見る
産後も腰痛が続く育児中のママ
産後の腰痛に困っていていましたが、育児に忙しく自分の体のことは後回しにしてきました。
でも、この腰痛改善エクササイズを試したところ、横向きにしか寝れなかったのに仰向けでも寝れるようになりました。
産後に腰痛になってしまう理由が気になる方にはこちら記事もおススメです。
-
産後の腰痛が起きる原因と対策はコレ!妊娠中の体の状態から解説します。
妊娠中はお腹が大きくなって、上を向いて寝ると腰が痛くなるので横向きにしか寝られない・・・というママは多いのではないでしょうか? 出産してやっと上を向いて寝られると思いきや、産後も腰痛が続いていて、やっ ...
続きを見る
腰痛改善には呼吸を使って腹圧を高めるエクササイズをおススメします。
いかがだったでしょうか?
ご紹介した呼吸を使って腹圧を高めるエクササイズは、動きはシンプルですが腰痛改善には大いに役立つものです。
腹圧を高めることで体の中に筒を作り、体幹が安定することで腰への負担がかなり減ります。
慣れないうちは色々と考えてしまうかもしれませんが、難しいことを考えなくてもご紹介したエクササイズをただ順番通りにやっていくだけで変化が起きて日常生活がいつの間にか楽になります。
この努力感なくいつの間にか・・・というところが私のフェルデンクライスが好きなところでもあります。
フェルデンクライス広島では、お一人お一人が意識を向けられていないところにアプローチして、体の動きを学ぶお手伝いをしています。
ご紹介したエクササイズのやり方がブログだけではわからないけどもっと活用したい、という方もぜひお気軽にお問い合わせくださいね。
お申込みはこちらから
下記のバナーをタップすると
お申込みページにとびます。
↓お電話の方はこちらから↓
(下記のボタンをタップすると
電話がかけられます)
レッスンの詳細につきましては下記のページをご参考にしてください。
-
フェルデンクライス広島の個人レッスン
フェルデンクライスメソッドには2つのレッスンがあります。 そのうちの1つ、個人レッスンについてのご案内です。 目次個人レッスン (Functional IntegrationⓇ=FIレッ ...
続きを見る
-
フェルデンクライス広島のグループレッスン
フェルデンクライスメソッドのレッスンには2つのレッスンがあります。 そのうちの1つ、グループレッスンについてのご案内です。 目次グループレッスン (Awareness Through M ...
続きを見る