デイサービスセンターや高齢者介護施設でフットケアを提供していらっしゃる、ナーシングフットケア NIKOの代表 山本様からのご依頼で「浮腫み」について講習会をさせて頂きました。
「浮腫み」を改善するのに皆さんはどんな方法をとりますか?
枕などで足を高くする?
マッサージをする?
水分を控える?
色々な方法はあると思いますが、今回は
動きを引き出す移動介助を提供する
という人の動きという視点から「浮腫み」について考えてみることにしました。
人が動く時は、筋肉が伸び・縮みをして体を動かします。
この筋肉の伸び・縮みで血液が流れだすことを
筋肉のポンプ作用
と言います。
「浮腫み」の原因は、「筋肉のポンプ作用」が充分に働かず、筋肉にある静脈が水分を十分に吸収・回収できずに生じます。
高齢者の「浮腫み」は心臓・腎臓などの病気、低栄養などが原因のこともありますが、
動きが少ないために筋肉が使われず、筋肉のポンプ作用が機能しないこと
によって引き起こされていることが多くみられます。
ですから、「浮腫み」を減らすにはこの筋肉のポンプ作用の働きを手伝うことが有効となります。
それには何が必要か?
それは患者・利用者様に動いてもらうことです。
でも、自分で動けない方もいらっしゃいます。
そういう方は自らが動いていけるような
動きを引き出す介助を提供することが大事です。
動きを引き出す介助って何なの~?
ここら辺りで訳分かんなーい!って部屋の隅に閉じこもっちゃった人はもうちょとお付き合いくださいネ。
私は長年、病院や施設に関わってきましたが、そこで提供されている移動介助のほとんどは、患者・利用者様が自ら動く介助というよりも、動けなくなっていくような介助が提供されていることが多いということでした。
ある施設での移動介助の様子です。
この方は動ける能力が残っているにも関わらず、自分で動くという介助を提供されてこなかったために身体機能が落ちてきていました。
ご本人も自分ではもう動けないと思っていました。
自分で動いていけるように動きを引き出すように介助すると・・・
足底(足の裏)をきちんと床につけて、腕も使って自らが動いて移動することができました。
!!!!注意!!!!
写真では後ろから介助はしていますが、ズボンのウエスト部分の所を掴む、いわゆる「お相撲さんの回し」のように持って行う介助はしていません!体を支えているだけです。
そんなことをしなくても立っていけるように介助すればお尻は持ち上がってきます。
!!!!!!!!!!!
上の介助に比べると筋肉の伸び・縮みが起こっています。
筋肉のポンプ作用が働きだすので「浮腫み」の軽減にも役に立つでしょう。
実際の講習会では私が現場で経験したことやケースを元に体験学習という形で行っていきます。
今回は、車椅子で仙骨座り(滑り座り)をしている方の座り直しの介助を実際やってみながら
動きを引き出す移動介助
について色々と体験してもらいました。
私自身、不器用で難しいことをいっぱい覚えるのは苦手なので、シンプルに2つの考え方だけを覚えてもらって皆さんと学んでいきました。
たった2つのことをおさえるだけなので、スタッフさんから分かりやすかったとのお声を頂いたのが嬉しかったです!
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