出典:松永製作所HPより
新しく入所された利用者さんが車椅子に座らせると腰を痛がって座りたがらないので、何かいい車椅子はないか?と相談されました。
リクライニング式の車椅子だったので、ティルト式の車椅子をおススメしました。
その後、車椅子を変えて腰痛はなくなり、食事の時も長く座れるようになったとのこと
一件落着~♪と思っていたのですが・・・
数日経った頃スタッフから
「車椅子を変えてもお尻を痛がってずれてくるんです」
とまた相談されました。
なんでだろう?と利用者さんのところへ行ってみると・・・
ちょっとしたことだったのですが、意外によくあるケースなので記事にしてみました。
車椅子には
リクライニング
と
ティルト
という機能を持つ車椅子があるのをご存知ですか?
リクライニングとは・・・
座面はそのままで背もたれのみが後ろに倒れていきます。
出典:パラマウントベッドHPより
ティルトとは・・・
座面と背もたれが角度を保ったまま座面ごと後ろに倒れていきます。
出典:パラマウントベッドHPより
で、これで何が違うのか?ということなのですが・・・
リクライニングって聞くと皆さんこんなイメージじゃありませんか?
なんだかリラックス~♪な感じがしますよね?
でも、このリクライニング・・・
背中にズレを起こしやすく、リクライニングで角度を変えるたびに体が前へどんどんずれていきます。
またお尻に圧がかかりやすく褥瘡(床ずれ)になりやすいのです。
自分で体を支えることのできる方やバランスを取れる方なら問題ないかもしれませんが、自分で座るのが難しい方やバランスを取れない方はリクライニングをかけることによってどんどん前へずれて姿勢が崩れてくるのです。
それに対してティルトというのは・・・
座面ごと後ろに倒れていくので車椅子からずり落ちていくのを防ぐことができます。
また、背もたれに体の重さを預けることができるので、お尻にかかる圧を和らげることができます。
相談された利用者さんのケースは、せっかくティルト機能がある車椅子だったにも関わらず、リクライニング機能だけを使っていたんですね・・・
ですからお尻を痛がるし、そのためにどんどん前にずり落ちていたのです。
スタッフ間でもリクライニングとティルトの機能の違いが分かっていない方がいらしゃったようです。
ティルト式の車椅子は現場で使われるようになってきましたが、まだまだ認知されていないことも多く、使いこなせていない現場は意外と多いのです。
なので現場で徹底してもらうようにしたところ、問題は解決しました。
食事のときは背もたれを起こします。
ティルトはかけすぎると飲み込みにくくなるからです。
ただ、注意してほしいのは股関節がどのくらい曲がるか、ということです。
利用者の中には股関節が曲がりにくい方もいらっしゃいます。
ですから、どんな方でもティルトをガッツリかけていいわけではありません。
そういうときこそリクライニングをかけて調整してくださいね!
リハの方がいらっしゃる現場は必ず相談してから使用してください。
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