私たちは日常の中でさまざまな動きをしています。
例えば朝目が覚めたら、寝返る、座る、立ち上がる、歩く、ドアを開けるために腕を使う・・・などカラダを動かしていますよね?
私たちが何気なくやっている動き、全てカラダがやっていると思いますか?
実際は・・・
脳が全てやっていることなんです。
私たちが動く時は脳が命令して初めてカラダを動かすことができるんです!
神経科学者であるグレッグ・ゲイジが運動と脳の働きについて楽しく、ちょっと不思議なデモをやっています。
彼が凄いのは、安価な実験キットで脳の働きを見事に視覚化しているところなんです。
とても興味深いデモなのでご紹介したいと思います。
Greg Gage:自分の脳で他人の腕を操る方法
出典: TED Talk / TED.com より
如何でしたか?
私がこのデモで興味深かったのは最後のシーンです。
2人の腕には電極が繋がれていて、ひとりの参加者が腕を動かすと筋肉で放出された電気をキャッチして、その電気活動がもうひとりの参加者に伝わり腕が動くという仕組みです。
つまり、他人の腕を自分でコントロールできるようになるわけです。
興味深かったのは、参加者自身が腕を動かしていたときは相手の腕を動かせていたのに・・・
他人から動かしてもらったときは相手の腕は動かなかったんです!!!
なぜでしょう?
それは、動きは脳でするものだからです。
東京大学大学院総合文化研究科 深代千之(ふかしろ せんし)教授によると・・・
運動をするときには筋肉を動かさなければいけませんが、筋肉は脳の命令がなければ動きません。
※脊髄反射(熱い鍋に触ってしまったとき、脳が判断する前に、脊髄の命令によって手を引っ込めるなど)は除く脳は何百億個もの神経細胞でできています。
「歩く」とか「投げる」といった運動をしたり、勉強で暗記をしたりするとき、脳内の神経細胞に電気信号が通ります。
信号が何度も同じルートを通っていると、次第に道ができます。
脳内に道をつくることを脳・神経パターンの生成といいますが、これが「記憶する」ということです。
引用元:MUSTER
このデモに興味を持ったのは、フェルデンクライスメソッドもこの脳の学習プロセスを利用するからなんです。
フェルデンクライスメソッドのレッスンでは、さまざまな動きを使って脳の学習を促します。
動きの中で、心地いい動き、自分にとって有効な動きを選択して感じ取ることをします。
このカラダの動きや変化を感じ取っていくこと
自分のやっていることに注意を払っていること
ここが重要なのです。
腰痛を解消するのにただ腹筋と背筋を鍛えましょうとやみくもに動くと一時的に改善されたようにはなりますが、暫くするとまた同じ症状を繰り返すというのは、
自分が痛みを引き起こすような動きを習慣的にしているということが分かっていないからなのです。
動きを良くしようとするなら
カラダを鍛えて解決するのではなく脳を鍛えた方が近道かもしれませんネ!