前回の記事で登場した88歳の方とのレッスン。
Aさんの悩みは歩くのが難しいということでした。
前回の記事はこちらから
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「歩く」ってどういうことでしょう? と、聞かれたらあなたはどう答えますか? 歩くのが難しい、歩くときに足が前にでないと言われる方に私はよくこの質問をします。 大抵の人は答えに詰まってしまいます。 なぜ ...
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Aさんは趣味でゴルフをしているのですが、最近は腰や膝が痛くて前にかがめないためにカップインしたボールが取れなくて困っている、ということでした。
今回はその時の様子についてのお話です。
動きを難しくしている原因は色々ありますが、その原因の一つとして、「自分の動きや体のイメージの思い込み」が関係していることがあります。
私たちは無意識ですが、自分の動きや体にイメージを持って体を動かしています。
問題が起きるのは、そのイメージが実際の体の構造とマッチしてない状態で体を動かす時に起こります。
かがむという動きは体のどこかが曲がるということです。
まずは、Aさん自身がどこで体を曲げているかに気づいてもらいました。
でも、今やっている曲げ方だとカップインしたボールに手は届きません。腰にも痛みがきます。
そこで、Aさんに今とは違うイメージで体を曲げていくように提案してみました。
またまた怪訝そうな顔をされるAさん、とりあえず言われるままにゆっくりと床の方に手を伸ばします。
「あれ?床に(手が)ついた!」
この瞬間、感覚的に何かを掴んだのか、Aさんは色々な動きを試されます。
「ボールを取るようにして・・・こうして・・・」
「こうすると膝も曲がってくるな・・・」
色々と探索している姿は、まさに子供が新しい動きを獲得するときと同じで見ているこちらもワクワクします。
Aさんは椅子からの立ち上がりも難しいとのことだったのでかがむときのイメージを使って椅子からの立ち上がりにも応用してみることにしました。
好奇心いっぱいで学ぶことの上手なAさんはあっという間にご自身でラクな立ち上がり方を探し出しました。
フェルデンクライスメソッドのレッスンでは、あなたが無意識に持っている動きや体のイメージを今やっていることに注意を向けることで表面化していきます。
自分が何をしているかが分からないと、今の状態を変えることはできません。
さらにそのイメージを実際の体の構造とマッチするように働きかけていくことで問題を解消していくお手伝いをします。
このレッスンを通して、私も多くのことを学ばせてもらいました。
Aさんがいつまでもお元気でゴルフが楽しめますように!
自分の体や動きについてすでに知っていると思い込んでいることを、もう一度学びなおしてみませんか?
今よりもっと楽で、効率的で優雅な動きを手に入れることができるかもしれません。